日本産婦人科学会で発表
平成27年4月11日にパシフィコ横浜で行われた第67回日本産婦人科学会の学術講演会で「更年期外来におけるホメオパシーの有用性」と題して発表をおこないました。日本産婦人科学会の過去67年の歴史のなかでホメオパシーの演題が発表されたのは今回の私の発表が初めてです。要旨は以下のとおりです。
[目的] 更年期外来には更年期障害のみならず症状がよく似た不安障害やうつ状態その他これらの混在した状態などのさまざまな患者が来院する。更年期障害の治療はわが国ではホルモン補充療法が主流であるがホルモン剤の長期服用による心血管障害や子宮内膜癌、乳癌などの副作用の発生に注意が必要でありまた体重増加や体調不良を訴えることも少なくない。代替療法の一つであるホメオパシーはわが国では認知度はまだ低いが諸外国では更年期障害その他の疾患の治療に広く利用され副作用もなく有用な治療法とされている。しかし本邦での報告は少ない。そこで更年期外来におけるホメオパシーの有用性を後方視的に検討した。
[方法] 初診時1時間程度かけて病歴を聴取してSDS、CMI、クッパーマン更年期指数などを参考に疾患のふるい分けを行った。それをもとにインフォームドコンセントをとりレパートリゼーションを行いレメディ、ポテンシー、投与方法を決定した。有効性をGlasgow Homeopathic Hospital Outcome Scale(GHHOS)に基づき+4から–4の9段階で評価した。
[結果] 2010年11月より2014年8月までに37才から58才(平均46.6才)までの合計22名が受診し内訳は更年期障害7名、不安障害11名、うつ軽症1名、月経前症候群2名、月経困難症1名の合計22名であった。これらにレメディを投与しえたのは17名で、効果判定が可能であったのは12名であった。この内GHHOS +1以上の効果があったのは8名、67%であり、0~+1が2名、0で不変が1名、0~-2で悪化が1名であった。また副作用はなかった。
[結論] 更年期障害をはじめとして不安障害やうつ病などが来院する更年期外来においてホメオパシーが有用かつ安全である可能性が示唆された。